お腹の周りやお尻・太ももについたデコボコは、セルライトといいます。セルライトは一度できてしまうと撃退が難しいため、セルライトが出来ないように予防することが大切です。 この記事では、セルライトができる原因を探るとともに、セルライトの改善に役立つ食事法と運動をお伝えします!
セルライトは、いつの間にかできているのではありません。セルライトは時間をかけて、コツコツと出来上がっているのです。まずは、セルライトがどのようにできるのかを調査しましょう。
セルライトは皮下脂肪組織に溜まった脂肪や水分・体内の老廃物が絡みつき、更にその周りをコラーゲンが包み込んで大きくなったものです。セルライトがついている人は多く、日本人女性の80%以上がセルライトに悩んでいると言われています。
何も対策を行わないと、セルライトは毎日コツコツと溜まって成長してしまい、太ももやお尻・お腹周りにできるデコボコとして目立っていきます。
私たちの体内では取り込んだ栄養分をエネルギーに変える代謝が常に行われており、代謝の過程で発生した老廃物はリンパ管を通って排出されます。
老廃物の排出はリンパ液という液体によって行われます。リンパ液はリンパ管という器官を通って全身をめぐっており、リンパ液は筋肉の活動によってスムーズに流れていきます。したがって、筋肉の動きが悪いと老廃物はスムーズに排出されなくなります。
運動不足や肥満によって筋肉の働きが悪くなると、老廃物が体に溜まりやすくなります。溜まった老廃物は代謝の低下を招き、皮下脂肪の中に脂肪細胞をため込んでゆきます。筋肉を活発に動かして代謝を高めれば脂肪細胞は燃焼されるのですが、代謝が低下したままだと脂肪細胞が蓄積し、軽度の炎症状態となります。
炎症状態の脂肪細胞が増加して肥大化すると、脂肪細胞の周りに水分や老廃物がまとわりつく上に、コラーゲン繊維が脂肪細胞を囲むよう集まって繊維状の塊となり、セルライトを作っていきます。セルライトになった脂肪細胞は固く、皮膚の表面を押し上げてデコボコになります。
セルライトは毛細血管やリンパ管を圧迫するため、さらに代謝を悪化させてしまいます。代謝が低下したままでは脂肪細胞が燃焼されないため、運動をしてもエネルギーとして燃焼させることが難しくなります。
セルライトを予防するには運動不足を解消して筋肉の活発にし、リンパに溜まった老廃物がしっかり排出できるようにしましょう。
セルライトは脂肪型・筋肉質型・むくみ型・繊維型の4種類に分類できます。セルライトは種類によって特徴が異なり、セルライトの種類によってセルライトがつきやすい人のタイプも異なります。ここからは、セルライトの種類とセルライトが付きやすい人のタイプについて解説します。
脂肪型セルライトはセルライトの中でも特に多く見られるタイプで、セルライト全体の約50%を占めています。脂肪型セルライトは代謝の低下によって脂肪細胞がたまることでできやすくなるため、年齢を問わずだれにでもできやすいセルライトのタイプと言えます。
脂肪型セルライトを解消するためには、運動を取り入れて代謝を高めましょう。脂肪型セルライトはセルライトの中でも解消しやすいタイプなので、皮下脂肪が溜まりだした段階で対処すると効果が高くなります。
筋肉質型セルライトはもともと運動をしていた人が急に運動をやめた時に付きやすいセルライトで、セルライトの中では最も少ないタイプです。筋肉型セルライトは、運動をやめたことで代謝が低下した結果体に脂肪が蓄積してしまい、脂肪細胞が筋肉とつくことでできるセルライトです。
筋肉質型セルライトはセルライトの中でも最も除去がしづらいタイプです。筋肉質型セルライトは自分で解消するのが難しいので、エステで施術を受けて解消しましょう。エステで行われる筋肉質型セルライトの施術は、エンダモロジー・ルミセルタッチ・プロテクノウェーブ(EMS)があります。
エンダモロジーは脂肪を吸引しながらもみほぐし、セルライトと肌を滑らかにする施術です。また、エンダモロジーは血管やリンパの流れを約600%高めて新陳代謝を促進させるため、むくみや冷えの解消にも効果的です。
ルミセルタッチは脂肪のもみほぐしと同時に光照射で体を温め、脂肪の分解と燃焼を高める施術です。ルミセルタッチはセルライトが気になる部分に集中して施術ができるため、部分痩せに力を発揮します。プロテクノウェーブは、従来のEMSで働きかけが難しかった赤筋という深層の筋肉を刺激し、腸腰筋を鍛えて代謝を高める施術です。
筋肉質型セルライトは時間がたつと固くなり、硬化セルライトと呼ばれる状態になります。硬化セルライトが出来てしまうと皮膚にセルライトの跡が残る可能性もあるため、硬化セルライトになる前の段階で対処することが重要です。 硬化セルライトになる前の初期段階のセルライトは、軟化セルライトと呼ばれます。
軟化セルライトの場合は、マッサージ等セルフケアで解消されるケースもあります。ただし、軟化セルライトは自分で気が付きにくいため、皮下脂肪が溜まってきたと感じたらすぐにケアを行うよう心がけましょう。
むくみ型のセルライトは、体の「むくみ」が原因でできるセルライトです。むくみ型のセルライトは脂肪型セルライトの次に多いタイプのセルライトでもあり、セルライト全体の約35%を占めています。
むくみは体の冷え・運動不足・長時間同じ姿勢でいることが原因で発生します。むくみが発生すると代謝の低下やリンパの流れがの悪化
むくみ型セルライトを予防するためには、冷え対策が欠かせません。食事ではショウガのように体を温める食べ物を積極的に食べ、飲み物は温めて飲むように心がけましょう。また、長時間同じ姿勢でいることを防ぐために運動を取り入れるのも、冷え性改善に効果的です。
運動は、ジョギングやウォーキングといった有酸素運動を行うと代謝を高められます。代謝が高まれば、体の水分や老廃物がスムーズに行われてむくみが解消できます。
繊維化型セルライトは脂肪細胞の周りにコラーゲン繊維が絡みついてできるため、デコボコが目立つタイプです。繊維化型セルライトはセルライト全体の約10%を占めていて、軟化セルライトを長期放置すると発生しやすいタイプです。
繊維化型セルライトは筋肉質型セルライトと同じくセルフケアが難しいため、サロンの施術が必要です。繊維型セルライトの解消に使われる施術は、エンダモロジーやEMS・キャビテーションがあります。
体についた脂肪は運動によって燃焼されますが、運動不足の状態が続くと脂肪が蓄積していくため、脂肪型セルライトができやすくなります。
運動不足が原因のセルライトを予防するためには、生活の中に適度な運動を取り入れて継続しましょう。脂肪の燃焼には、ジョギングやウォーキングといった有酸素運動が効果的です。また有酸素運動を単体で行うよりも、無酸素運動で筋肉を鍛えてから行うと代謝が高まり、より多くの脂肪が燃焼できます。
脂肪の燃焼に効果的な運動方法は、無酸素運動を行ってから有酸素運動を行うことです。無酸素運動はスクワットや腹筋といった道具を使わない運動が取り組みやすいので、有酸素運動の前に取り入れてください。
有酸素運動は、会話を楽しみながらできる程度の負荷で行うのが理想とされています。有酸素運動の中でもジョギングやウォーキングはペースが調節しやすいため、日常生活であまり運動をしない人におすすめの運動です。
また、有酸素運動は20分以上行うと脂肪の燃焼がより高まりますが、連続して20分行うのが難しい時は短い時間で区切って行ってください。有酸素運動は20分以下でも脂肪の燃焼は行われるため、まずは1日の中で合計20分の有酸素運動時間を確保しましょう。
人間のエネルギー代謝は糖・脂肪の順で行われるため、空腹時に運動すると脂肪燃焼効果がより高くなります。更に、夕方に運動すると夜間の体温が上がって質の良い睡眠がとれるため、可能ならば夕方に運動を取り入れてください。
脂の多い食事や炭水化物中心の食事を続けていると、セルライトができやすい体質になります。脂肪分と糖質はどちらも生命維持に必要なエネルギーですが、過剰に摂取すると体脂肪として体に蓄積されてしまいセルライトの発生につながります。
セルライトが付きにくい体を作るためには、代謝を高めたり老廃物の排出を促す食事を続けていくことが大切です。体の代謝を高める栄養には、筋肉を作り出すたんぱく質・脂肪と糖の燃焼を高めるビタミンB群・マグネシウムがあります。
老廃物の排出を促す栄養には、便通を促す食物繊維や塩分の排出を促すカリウム等があります。また、発酵食品を積極的に食べて腸内環境をと整える善玉菌を増やすことも、老廃物の排出につながります。
ストレスによる代謝の悪化には、自律神経のバランスが大きく関係しています。自律神経は体を活発に動かす交感神経と体を休める副交感神経から成り立っており、二つの自律神経のバランスが保たれることによって体の健康が保たれています。
しかし、日常生活の中で肉体・精神の負担が大きい出来事が続くと自律神経にストレスがかかり、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になってしまいます。ストレスがかかると脳から副腎皮質という器官に指令が出され、交感神経を働かせるホルモンが多く分泌されるため交感神経が優位になるのです。
交感神経優位の状態が続くと血管が収縮し、血行が悪くなって代謝が低下します。代謝が低下すれば老廃物が体に溜まりやすくなるため、セルライトができやすい状態になってしまうのです。 ストレスによる代謝の悪化を防ぐには、副交感神経を働かせて自律神経のバランスを整える必要があります。副交感神経を働かせるには、一定の睡眠時間を確保する・リラックスできる時間を作るといった休息の時間をもうけましょう。
女性の場合は、ホルモンバランスの乱れによってセルライトができやすくなるケースがあります。女性ホルモンはエストロゲン・プロゲステロンの2つがあり、約1か月の周期で2つのホルモンのバランスが変化します。セルライトができやすいのはプロゲステロンが優位の時で、生理が始まる約2週間前の排卵期に最も多くなります。
プロゲステロンは、妊娠が無ければ排卵後から生理直前まで急激に減少します。体内では急激なホルモンバランスの変化が起きているため、自律神経のバランスが崩れて代謝の低下や血行不良が起きやすくなります。
プロゲステロンが増加する時期は代謝が低下するためむくみやすくなる上、体に脂肪が溜まりやすくなるためにセルライトが付きやすくなります。更に、不規則な生活習慣やストレスが加わるとホルモンバランスが大きく乱れるため、生理不順がおきやすくなります。
生理不順によって生理が遅れている場合は、プロゲステロン優位の状態が長引くのでセルライトもつきやすくなります。生理不順が起きているときは体を温めて休息をとり、ホルモンバランスを整えることに努めてください。
人の体は、加齢によって代謝が低下していきます。代謝が低下すると体内の脂肪が燃焼されにくくなるため、セルライトが付きやすくなります。したがって、年齢が上がるほどセルライトが付きやすい体質に変化するのです。
代謝の中でも7割以上のエネルギー消費を占めているのは、生命機能の維持に使われる基礎代謝です。基礎代謝は男性で18歳・女性で15歳をピークとしてゆるやかに減少していくため、加齢とともに生活習慣を見直す必要があります。
食事では炭水化物や油の量を減らし、代謝を高めるたんぱく質やビタミンB群を積極的に摂取しましょう。同時に、運動の習慣を取り入れて積極的に体を動かし、筋力の低下を防ぐことも重要です。
目で見た時に皮膚の表面のデコボコがはっきりわかるようであれば、硬化セルライトができた状態です。硬化セルライトはエステの施術でなければ解消できず、セルライトの解消には時間や費用もかかります。だからこそ、セルライトは軟化セルライトの時に撃退することが大切なのです。最後に、おすすめのセルライト撃退法をご紹介します。
リンパ管は皮膚の表面近くを流れているため、リンパマッサージを行ってリンパの流れをスムーズに整えると老廃物の排出を促せます。リンパマッサージを行う時は、体の末端から心臓に向かってリンパを押し上げるように行ってください。リンパマッサージは、体が温まっているお風呂上りに行うとより効果を高められます。
まずは足の裏と足の甲を各10秒程度よくもみほぐし、続けて足首から膝の裏にかけてふくらはぎをさするようにリンパを押し上げます。仕上げに太ももをさするように押し上げれば、リンパマッサージは完了です。ふくらはぎと太ももは各15秒ずつ、手のひら全体を使ってリンパマッサージを行いましょう。
上半身は腹部・鎖骨の周辺・首回りをマッサージします。腹部は息を吐きながら指先で押し、鎖骨は人差し指と中指で鎖骨を挟むようにし、手のひら全体でリンパを押し流します。鎖骨のリンパマッサージは、最初に肩から鎖骨に向かって行い、次に鎖骨から肩に向かってリンパを流していきます。
首のリンパマッサージは、耳の後ろから鎖骨に向かってリンパを流した後で耳の後ろから肩に向かってリンパを流します。首のリンパマッサージは、左右の手を交互に使って首回り全体のリンパを流すように行ってください。
リンパマッサージと同様、ストレッチにも老廃物の排出を助ける働きがあります。ストレッチは、特にセルライトが付きやすい下半身を中心に行うと、セルライト撃退に役立ちます。
下半身のストレッチではしゃがんだ状態から左足を後ろに伸ばし、右腕を右足の下から外側へ入れます。左足は伸ばしたままゆっくり呼吸をし、15秒間同じ姿勢を保ってください。反対側も同じ要領で行うと、ふくらはぎから足首にかけて血流を促進できます。
ラジオ体操は場所も取らず数分でできる有酸素運動なので、セルライト対策としておすすめです。ラジオ体操は、400種類ある全身の筋肉を3分で効率よく動かすことができるように考えられた体操です。ラジオ体操には第一・第二体操があり、第一体操は全身の筋肉や関節をバランスよく動かすこと、第二体操は筋力の強化を目的に動きが考えられています。
ラジオ体操のメリットは、場所を取らず誰でも簡単にできる点にあります。1日の中で体を動かす時間を決めて、ラジオ体操に取り組みましょう。
より高い脂肪燃焼効果を実感したいときは、トランポリンを使った全身運動を行いましょう。トランポリンはジョギングやウォーキングの7割近く高い運動効果を実感できるという研究もあり、短時間で脂肪燃焼につながる点がメリットです。
トランポリンは一定のリズムで飛び続けるだけの運動なので、運動が苦手な人でも楽しみながら行えます。数分ジャンプを行うだけで全身の血行とリンパの流れが促進されるため、まずは短時間のトランポリン運動から始めましょう。
セルライトの撃退で最も大切なことは、余計な脂肪をため込まないことです。食事は脂肪分と炭水化物の摂りすぎに気を付け、一定時間の運動を確保して積極的に脂肪を燃焼させましょう。 セルライトは硬化すると除去が難しくなるため、出来始めのうちに撃退することが大切です。
編集部
まずは自分の生活習慣を見直し、セルライトが付く危険がないかを確認してください。セルライトができやすい生活習慣を行っているならば、すぐに対策を立ててセルライトを予防しましょう。