最近注目されている朝活。「早起きは三文の徳」のことわざ通り、朝早起きしてさまざまな活動をすることで、脳の活性化や仕事の効率化にも役立つと言われています。
特に、朝活で運動を行うとダイエット効果もあるとご存知ですか?今回はダイエット効果が高い朝活のメリットと、よりダイエット効果を高める3つの運動や食事の摂り方についてご紹介します。
朝活ダイエットは、朝早く起きて運動するダイエットです。朝活ダイエットに効果が期待できる理由は3つあります。
人の体は、食後の消化・吸収の際に熱を発します。そのとき消費されるエネルギーが、消費エネルギー(正式名:食事誘導性熱産生/DIT)です。消費エネルギーは午前中がピークでその後どんどん下がっていきます。
つまり、消費エネルギーがもっと高くなる朝は、ダイエットに最適の時間帯なのです。
1日周期で活動状態と休息状態のリズムを切り替える体内時計は、不規則な生活やストレスが原因で乱れます。しかし朝の光を浴びることでその体内時計はリセットされ、正常な状態に戻すことができます。
その結果睡眠の質が良くなり、次の3つのホルモンが正常に分泌されます。
つまり、体内時計の正常化で代謝や脂肪燃焼をUPさせるホルモンの分泌が促され、体を太りにくくするダイエット効果も期待できるわけです。
一般的に、運動には次のストレス解消効果があると言われています。
加えて、朝の運動はストレスの大きな原因となる体内時計の乱れを直す効果もあるため、よりストレスを解消しやすくなります。
以上のように、朝早い時間から運動を行う朝活ダイエットは、より多くの人におすすめできるダイエットなのです。
朝活ダイエットで期待できる効果は、以下の2つです。
朝運動すると就寝中に滞っていた血のめぐりがよくなり体温が上がるだけでなく、1日中その状態をキープすることができます。それを習慣づけることにより、じっとしていても体内のエネルギーを消費する基礎代謝が上がって脂肪を燃焼しやすくなります。
また、前述の通り、消費エネルギーは朝がピークで、運動することによりさらに消費エネルギーを上げることができます。
つまり、基礎代謝と消費カロリーの両方を上げることで、余計な摂取エネルギー(食事で体内に入るエネルギー)を効率的に消費することができるのです。
その結果、体脂肪や内臓脂肪などを必要以上に蓄積することを防ぐことができ、太りにくく痩せやすい体作りができるというわけです。
朝活ダイエットは自律神経の乱れを改善する効果があり、集中力がUPするメリットもあります。
自律神経とは、人が元気に活動するためにある交感神経と、リラックスして休息モードに入るための副交感神経を指しますが、忙しい現代人は、とにかくそのバランスが崩れがちです。
通常、交感神経は昼間、副交感神経は夜間に正しく働きます。日中に活動が活発になり、夜に眠くなるのはそのせいです。しかし、そのバランスが崩れると日中だるくなる、あるいは夜眠くなるなどの弊害が現れます。
特に、夜熟睡できないとストレスから太りやすいものを無性に食べたくなり、その結果太ってしまうという研究結果も出ています。つまり、自律神経の乱れは「ダイエットの敵」なのです。
しかし、朝日を浴びながら運動を行う朝活ダイエットにでは、体内時計のリセットで自律神経の乱れも改善されます。
それに伴い、太りやすい食行動が収まるのはもちろん、交感神経と副交感神経のバランスが正常に戻ることで、日中の活動においてより集中できる状態をキープしやすくなるのです。
ここからは、誰でも気軽に始められて効果も高い朝活ダイエットの方法を3つご紹介します。まず、基本の朝活ダイエットとしておすすめしたいのが、ウォーキングです。
ウォーキングは、通勤、買い物、散歩など、日常的な活動を兼ねながらでき、わざわざそのための時間を取らずにすむ点が大きなメリットです。
酸素を取り入れながら体内の糖や脂肪を運動エネルギーに変える有酸素運動なので、ただ歩くだけでも体内に蓄積された糖と脂肪が効率的に消費されます。
特に、交感神経が活発になり、消費エネルギーも最大となる朝のウォーキングは、よりダイエット効果が高くなります。
ダイエットを目的としている場合は、20分以上歩くと脂肪の燃焼が始まることを覚えておきましょう。たとえば、通勤で電車を使っている場合、最寄りの駅で電車に乗らず次の駅で歩くなどすると、歩行時間を20分以上に伸ばすことができます。
上半身を固定することを意識して背筋を伸ばし、腕をしっかり振ります。
運動の前にはコップ1杯の水を飲むと代謝が良くなります。また、朝ごはんを食べてから歩くと消費エネルギーも高まります。
休日など時間がある場合は、後述するストレッチ、ラジオ体操やエクササイズなどのウォーミングアップ、スクワットなどの筋トレとのセットで行うとさらに効果がUPします。
なお、夏場など暑いときに歩くときは熱中症予防としてお水などを持ち歩きましょう。また、帽子もあった方がベターです。
次におすすめしたいのがストレッチです。
ストレッチの最大のメリットは、家の中でも10~15分程度の短時間でできることです。台風など天候が悪い日でもできるのも良い点です。
ストレッチは一見それほど運動していないように見えますが、実際にやってみると筋肉をほぐしながら同時に全身の筋肉を使うため、意外とハードです。また、夜の間に眠っていた筋肉を動かすことで、血行が良くなると同時に体の代謝が高まり、消費エネルギーも上がります。
それに伴い、体温の上昇で交感神経が活発になり、心身共に目覚めて1日の活動がスムーズにできるようになります。
筋肉は息を止めたり吸ったりしている時よりも息を吐いている時の方がリラックスして伸ばしやすくなります。そのため、ゆっくりと息を吐きながら筋肉を伸ばしましょう。
どちらか片方だけ伸ばすのではなく、必ず左右交互に筋肉を伸ばしましょう。
無理なストレッチは筋肉を傷めます。様子を見ながら少しずつ筋肉を伸ばし、心地よい痛みを感じる程度にストレッチを行いましょう。また、ストレッチ前にコップ1杯の水を飲むと代謝がUPします。
普段から定期的に運動している人ならランニングもおすすめです。
ランニングはウォーキングと同じく、糖や脂肪を運動エネルギーに変える有酸素運動です。また、血液の流れが活発になるため、血管の収縮が多くなります。その結果、脂肪を燃焼しやすくなるだけでなく、体を目覚めさせて活性化させる効果もあるのです。
運動を始めると、体はまず糖を運動エネルギーに変え、20分以上運動すると体脂肪の燃焼が活発になります。また、同様に血管の収縮が活発になり、より多くの血液が流れることにより、さらにエネルギーが消費されます。
ランニングは食後3時間以上空けて行った方が体に負担をかけずダイエット効果も高くなるため、ランニングをする日の前日に夕食をしっかり食べ、朝はコップ1杯以上の水を飲んでランニングを行います。また、ランニング後の食事は、胃腸に負担がかからないものにしましょう。
ハードなランニングは、他の運動より注意が必要です。
筋肉がほぐれていない状態でいきなりランニングを行うと、転倒によるケガはもちろん、筋肉や股関節、膝を傷めるなどのトラブルが起こりやすくなります。そのため、事前にラジオ体操などのウォーミングアップで体を温め、ストレッチで筋肉をほぐしておくことが重要となります。
朝活ダイエットで効果をUPさせるには、食事も大事です。気を付けるべきポイントは、以下の3つです。
血や肉を作るたんぱく質、エネルギー源となる炭水化物や脂質、体の調子を整えるビタミンやミネラルなど、5大栄養素をすべて含む、バランスのよい食事を摂りましょう。特に、ランニングなどの運動後に食事をする場合は、タンパク質をしっかり摂りましょう。
また、炭水化物を摂る場合、バターなどの脂分や砂糖などが入っているパンよりもお米を食べましょう。お米は摂取カロリーを抑えるだけでなくかむ回数が多くなるので、少しの量で満腹感が得られやすくなるという効果もあります。
朝食は、基礎代謝を上げる効果が最も高い、タンパク質を中心とした温かい献立にしましょう。できれば脂質が少ない和食がよいでしょう。
また、果物にはビタミンやミネラル、酵素など、体の調子を整える栄養素が含まれています。そのため、胃の消化吸収を助け、消費エネルギーを上げる効果も期待できます。
さらに、体を温めて基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼する効果もある生姜などもおすすめです。他にも、寝る前3時間は食事を摂らない、食べ過ぎを防ぐためよくかんで食べるなど、ダイエットの基本となる食べ方にも留意しましょう。
食事の回数よりも1日にトータルで摂る摂取カロリーを考えて食事を摂ることを意識し、1食で食べ過ぎたと思ったら他の食事で調整しましょう。またカロリーカットサプリや食欲を抑えるサプリを使うことも摂取カロリーを抑える方法としてはおすすめです。
朝活ダイエットとして朝運動を行うことが有効な理由や、だれでも気軽に朝活ダイエットができる3つの運動を行うメリット・注意点についてお話しました。また、栄養バランスの取れた朝食など、朝活ダイエット効果をさらに高めるには食事も重要です。
編集部