顔や手足は普通なのに、お腹だけポッコリ!?その原因は内臓脂肪です。20代や30代の女性でも、ビール腹のオジサン体型になる危険があります。
この記事でポッコリお腹の原因である内臓脂肪の仕組みを知って、オジサン太りを防ぎましょう!
脂肪には2種類あり、付いている脂肪の種類によって、体型にも大きな違いがあります。
皮下脂肪 | 内臓脂肪 |
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体全体にある脂肪。いわゆる「ぜい肉」。筋肉と皮膚の間につき、一旦つくと落としにくい。 | 筋肉より内側の脂肪で、お腹まわりに存在する。つきやすいが比較的落としやすい。 |
皮下脂肪とは、皮膚と筋肉の間に付く脂肪です。いわゆる「ぜい肉」や「つまめるプヨプヨ肉」のことで、頭皮からつま先まで全身くまなく付きます。
それに対して、内臓脂肪は皮下脂肪の下に位置する脂肪のことです。
私たちの内臓は腹膜という薄い膜に覆われ、腹膜の上に筋肉や皮下脂肪が乗っている構造です。内臓脂肪は、腹膜と腸や肝臓などの内臓の間に付く脂肪です。内臓が脂肪でコーティングされているとイメージすると、理解しやすいでしょう。
内臓脂肪は「胴体」にしか付きず、筋肉の下にあるので触れることができません。知らない間について外せなくなっている浮き輪肉こそが、内臓脂肪なのです。
こんな場合は内臓脂肪がついてしまっている状態かも?知らぬ間にメタボなオジサン体型に足を踏み入れてしまっているかもしれません。
内臓脂肪は、BMIや体脂肪率だけでは見えないという特徴を持っており、隠れ肥満の原因のひとつです。内臓脂肪レベルを測るには、体組織計やCTスキャンなどが必要で自己測定が難しいため、目安となっている基準を紹介します。
→ウエスト(cm)÷身長(cm)≧0.5
→ウエスト(cm)÷ヒップ(cm)≧0.9
※ウエストとは、この場合おへその位置のこと
両方当てはまったら、たとえ体重や体脂肪率が標準であったとしても危険信号です。体内に内臓脂肪がたくさん潜んでいる状態で、内臓脂肪が生む健康リスクを抱えていることになります。
皮下脂肪の量は見た目にダイレクトに表れるため、つい皮下脂肪に焦点をあてがちです。内臓脂肪は見た目では分かりにくいため、年齢が若いほど蓄積に気づきにくいのが特徴です。
健康や病気という観点では、内臓脂肪のほうが圧倒的に危険と言われています。なぜなら、内臓脂肪はさまざまな病気の引き金になるためです。
女性の場合、おへそ周りが90cm以上になると黄色信号です。この数値をオーバーすると、高血圧や高血糖などを招きやすくなることがわかっています。きちんとした医学的な統計調査に基づいていますから、意味がある数値なのです。
メタボリックシンドローム=オジサン太りとは限りません。おへそ周りが90cm以上(男性は85㎝)で、高血圧・高血糖・高脂血症(このうち2つ以上)が認められると「メタボ」と判定。年齢は関係ありません。若い女性でもメタボの可能性はあるのです。
メタボのボーダーライン | メタボのリスク |
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女性:おへそ周りが90㎝オーバー 男性:おへそ周りが85㎝オーバー |
内臓の機能障害 生活習慣病(高血圧・糖尿病など) 老ける |
メタボリックシンドロームは、日本肥満学会と厚生労働省が定義しています。政府も単なる「肥満」で済まさず、わざわざ「メタボ」という言葉を作り、国をあげて啓発を行っています。
内臓脂肪が怖い本当の理由は、臓器のはたらきをコントロールする物質の分泌バランスを崩してしまうことにあります。
内臓が正常に機能しなくなると、高血圧や肝機能障害、腎機能障害、心筋梗塞や脳卒中などといった生活習慣病のリスクが急上昇するのです。
編集部
どんなにミニスカートが似合っても、肌や髪がボロボロでは意味がありません。命の危険にさらされては本末転倒。そのため、内臓脂肪を甘く見てはいけないのです。
知ってしまったからには、絶対に見過ごしてはいけないのが内臓脂肪です。放置は危険なこと、もうわかりましたよね?でも、ご安心ください。20代~30代のうちに対策をしてしまえば怖くありません。
内臓脂肪も脂肪ですから、減らすための基本は食事と運動です。
運動 | 食事 |
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・すべて「ながら」運動 ・運動のための時間は作らない ・最小の努力で最大の脂肪燃焼効果を引き出す ・長期間続けるために、毎日のハードルは低く |
・脳をだまして、何もせずカロリー制限 ・満足感は今までと同じ ・カロリー計算はしない |
内臓脂肪を落とすには、運動よりも食事制限に比率を置くのが効果的。
脂肪燃焼=有酸素運動ですが、エレベーターやエスカレーターを階段に変えるくらいでも十分なんです。「通勤・通学で1駅余分にウォーキング」までできるなら、何も言うことはありません。気合を入れすぎることもないでしょう?
ちなみに、有酸素運動の効果を最大限に引き出すには、2つのコツがあります。
私たちの体の中に取り込まれたエネルギーは、すぐに脂肪になるわけではありません。糖質(グリコーゲン)として、筋肉や血液、内臓などに仮保存されています。
運動などで先に消費されるのが糖質で、脂肪は人体に重要であるとプログラムされています。
有酸素運動の前に筋トレを行うことで、体内の糖質を消費させる効果があります。有酸素運動時に、効率よく脂肪を燃焼させてくれます。
運動前に脂肪燃焼効果のある食べ物や飲み物を摂る方法です。コーヒーやお茶に多く含まれてるカフェインは、脂肪の燃焼をサポートしてくれる働きがあります。
カフェインを摂取することで、脂肪細胞に作用して燃焼しやすくさせ、交感神経を刺激し熱生産量を増やすことができます。運動の30分~1時間前に摂取すれば、体の脂肪が燃焼する準備ができるのです。
また、唐辛子で有名なカプサイシンも、カフェインと似たような効果に期待できます。
運動で脂肪燃焼するには、継続が最も重要です。
もうひとつは「食事」です。食事は、糖質を控えてカフェインやカプサイシンを取るようにしましょう。
満腹中枢を刺激することと血糖値のコントロールにあります。満腹中枢は「噛むこと」によって刺激されます。ところが、脳に伝わるまでには15分くらいのタイムラグがあるのです。
一口の量を小さくしたり、いちいち箸を置いたりするのは、このタイムラグを埋めるための時間稼ぎというわけ。満腹中枢が発動すれば、食事量を減らしても満足できます。
編集部
よく噛むことでアゴの筋肉が鍛えられるため、小顔を目指したい方にもおすすめです。
血糖値とは、「血液中にどれだけ糖質があるか?」を示す値です。細胞の活動エネルギーの大半は糖質で、血液によって運ばれます。「血糖値が低い=エネルギーが足りない=食べなきゃ!」というシンプルな回路が働くことによって、空腹を感じます。
血糖値が上がりすぎると「下げる」ホルモンが分泌されるようにできています。血糖値を下げるホルモンが、インスリン(インシュリン)です。
私たちの体は、血糖値が高いとインスリンをたくさん出して血糖値を下げる動きをします。すると、インスリンの過剰分泌によって「血糖値が下がりすぎてしまう」という状態になります。
低血糖状態を察知した体は、「低血糖で危険だから食べなくてはいけない」と判断して、空腹中枢を刺激します。そのため、一気に食べるほど空腹を感じてより多く食べてしまうのです。
これを予防するために、少量の間食をするという方法があります。食後3~4時間の小腹が空くころ、少量のおやつを食べてエネルギー補給をし、血糖値を安定させることができます。
編集部
間食する際は、1日のトータル量が「片手1/3以下」に収まるよう注意しましょう。
見た目では気づきにくい内臓脂肪ですが、実は軽視してはいけない危険な存在です。40代以降もキレイを保つには、今から内臓脂肪対策を始めるのがベスト!
まだ基礎代謝も高く脂肪が落ちやすい20代・30代のうちがチャンスなのです。健康的な内臓を意識する生活に変えると、お肌のハリや髪のツヤを保つことにも繋がります。
編集部
続けられれば、それがいつしか習慣となるもの。健康で若々しく年を重ねるためにも、早いスタートを切ることが大切です。